尾原和啓『モチベーション革命』を読んでみて




facebookで回ってきた本がちょっと気になったので読んでみました。
その本というのは、尾原和啓さんの『モチベーション革命』です。

尾原和啓さんのことは名前だけたまに見かけるだけで、正直なにをやっている人なのか知りませんでした。

そして、本を読み終えた現在も「IT分野とかよくわかってる良さげなおっちゃん」という認識しか持てていません…(すみません)

この本を読んでみようと思ったのは、帯に書かれてた落合さんのコメントを見たときでした。

尾原和啓は稀代のサーファーである。
時代の波を使って技を魅せる。
この人、俺より17歳も年上なのに、なんでこんなこと書けるんだろう。
―落合陽一

要するに、「このおっちゃん、歳の割によくわかってんじゃん」って言ってるようなもんですよね、これ笑

facebookで流れてきた「この本は面白い」っていう真面目なコメントたちと、落合さんのちょっと肩透かしのようなコメントのギャップが気になって、kindle版で購入してみたのです。

基本情報

  • タイトル: モチベーション革命
  • 著者: 尾原和啓
  • 出版社: 幻冬舎
  • 紙の本の長さ: 218 ページ
  • 発売日: 2017/9/27
  • 僕が読むのにかかった時間: 1時間ちょっと

実はこの本、「はじめに」の部分が全文無料公開されています。
お金出すか悩む人は、これを読んでからでも遅くはないでしょう。

本の目次

  • はじめに: モチベーション革命
  • 第1章: 「乾けない世代」とは何か?
  • 第2章: 偏愛こそが人間の価値になる
  • 第3章: 異なる「強み」を掛け算する最強チームの作り方
  • 第4章: 個人の働き方
  • おわりに

興味深かった内容

人間の欲望

「はじめに」にも出てくるのですが、アメリカ人心理学者のマーティン・セリグマンが唱えた

人間の欲望=達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭

という話が出てきます。

この中で特に、「没頭」というワードがあることが僕にとっては意外でした。
没頭が欲望だと思ったことがなかったからです。

そもそもマーティン・セリグマンという人物のことを知らなかったのですが、wikipediaで見てみると

うつ病と異常心理学に関する世界的権威で、学習性無力感の理論で有名であり、その研究はポジティブ心理学の創設につながった

らしく、楽観主義と成功を紐づけて捉えているようです。
Kindle unlimitedで無料で読めるみたいなので、時間のあるときに読んでみようかと思います。

インサイトが重要

アメリカに滞在していない&行ったこともないので、今のシリコンバレーというものがどうなっているのかは知らないのですが、ブームというものは必ずピークを過ぎるもので、シリコンバレーが日本で流行ってから久しくなる今日において、かつてほどの活気はないだろうと想像していました。
すると、著書の中でも「シリコンバレーから都市部への移動」という話が出てきているではありませんか。

この話は「問題解決のシステムを作ることの重要性」から「問題を見つけることの重要性」への移行を意味するということだったのです。
つまり、かつては問題解決こそが重要であり、そのシステムを熱量とスピードをもって作るシリコンバレーのような環境が重要だったのが、
最近は多くの問題は既に解決されてしまっており、問題を見つけることの方が大きなビジネスになるということです。

そのためには現場=生活の場に出て人々の抱える問題に気付くことが重要になってきたというわけで。
例えば日本でも、ヤフーなどが休日を多くするシステムを採用し始めましたが、これは何もいっぱい休んでいいよという話ではなく、休日の間にインサイトを強めてきてね、という話だった、と書かれているのはしっくりくる話でした。
つまり「遊ぶ時間が増えたわけではないのだ」という、まさしくフリーランスなどで生きる若者が感じている言葉を見事に代弁してくれている内容だったのです。

偏愛

偏愛の話は落合さんのような人間が体現していますし、
キンコン西野さんも「通知表でいう1~4は社会に出たら0と同じ。5だけが残る」(だから3,4を5にする努力のみにフォーカスして、1~2は捨てろ)という話と同義なので、何を今更という感もあります。

この話は実践してこそなんぼです。

その他キーワード

  • VUCA
  • 安心社会と信頼社会
  • ミッション・オリエンテッド
  • コントラバーシャル

こういったビジネス書を読むときに、いわゆる流行りのビジネス用語が出てくるので、それを見て流行りを知るのが僕は少し好きです。
辞書引きで調べるのではなく、他人の主観に沿って使われる言葉には意味が付加されていて、覚えやすいからです。

落合さんを見ていると

モチベーションへのこだわりは全然ありません。
むしろ「ストレスマネージメント」の話をするタイプで、やりたいことを常にやっている分、モチベーションのことを考えることに意味を見出せないタイプです。

僕も最近思うことですが、「やりたいことがある」という状態は「今はやりたいことを存分にできていない」という自分の状態の写し鏡に過ぎないのではないでしょうか。

「ただ着々とやる」

というのが落合さんの感覚だという話はたまに聞きます。
やりたいことしかやらず、自分のビジョンに進んでいる中では、「やりたいこと」というのを言語化して自分の中に持つ必要がなく、持っていないのだと思います。

読むことの期待値

この本が市民権を得れば、「やりたいことをやっていない」かつ「特別能力が高くはない」人は生きていくのが困難になるでしょう。

この手の話が世にでるようになってから久しいですが、それはつまり思想的社会実装は着実に進んでおり、時代を読めないものたちへの死のカウントダウンが着々と進んでいることを意味するのだと僕は思います。




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